本記事では、子供の足が臭くなる原因を調査し、有効な対策を紹介します。
すべすべやわらかいイメージの子供の足ですが、幼児だって小学生だっていつでも無臭の足でいられるわけではありません。
だから↓こんな悩み↓を持つママもいるはず。
子供の足が臭い…どうしたらいいの?
えぇえぇ筆者も痛い程気持ちが分かります。帰宅した子どもの足と靴から臭うあのニオイ。
スプレーしたり足を洗ったりしても、翌日にはちゃんと臭くなって帰ってくるんですよね。
そこで、本サイトで足の臭いについて調査しました。
最初に答えを書いておきますと子供の足の臭いは「菌の増殖予防・除菌・消臭」で対策できます!
足の臭いの原因は主に「イソ吉草酸」という脂肪酸なんです。
つまり主に↑これ↑を発生させないように対策をとれば、悩みが解決するってわけです。
本記事では、子供の足が臭い原因を説明してから足の臭い対策方法を紹介します。
子供の足が臭いのは『イソ吉草酸』が主な原因
足の臭い主な原因物質は「イソ吉草酸」という脂肪酸です。
イソ吉草酸が足臭パネルの場合は必ず検出されているのに対し、対照パネルからは一度も検出されていないことである。このことはイソ吉草酸が足臭のキーオーダーであることを示唆しており,…(略)
<出典>神田不二宏,他,"汗臭成分の解明及びその新規消臭剤の開発",粧技誌 第23巻第3号,pp.217-pp.224,1989.
「イソ吉草酸」は別名3-メチルブタン酸、こんな感じです↓
化学苦手!やめて!という方も安心してください。
敵(=臭いの原因)を知るために敢えて名前を出していますが「足の臭いの原因は『イソ吉草酸』とかいう物質なんだってー。」くらいに軽くとらえてくれればOKです。
足が臭い原因をつくるのは「菌+エサ+くつ内環境」
足が臭い原因物質である「イソ吉草酸」はどこから来るかと言いますと、皮膚にいる菌が出しています。
以上の結果から,ヒトの足部に生じる不快な足臭は,その表皮上に生活している表皮ブドウ球菌が関与しているものと考えられた。
<出典>小林真次,”表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)と不快な足臭との関係について”,日本細菌学雑誌 45(4),pp.797-pp.799,1990.
ただし、この菌がいるからといっていつでも足が臭くなるわけではありません。
高温多湿の環境で増えすぎた菌がエサを分解した物質が臭いのです。つまり、「菌+エサ+高温多湿の靴内環境」がクサーい足の臭いを作り出しているんです。
人間の皮膚を守ってくれる「皮膚常在菌」
人間の皮膚には「皮膚常在菌」と呼ばれる菌がいて、その菌がバランスを保って私たちを守ってくれています。
アクネ菌や表皮ブドウ球菌は、皮脂を皮脂分解酵素(リパーゼ)で分解して脂肪酸(抗菌作用がある)とグリセリンを作り、かつ皮膚を弱酸性に保ちます。
<出典>太田敏子:ウェブ講座⑥皮膚常在菌の力,宇宙からの科学ノート,学校法人香川栄養学園 女子栄養大学栄養科学研究所,2017.
足にも皮膚常在菌がいて、その中の「表皮ブドウ球菌」という菌が酸を出しています。その「酸」で皮膚を弱酸性に保ち、悪い菌が増えすぎないように守ってくれているってわけです。
皮膚常在菌のエサは角質や汗
皮膚常在菌は皮膚表面のタンパク質を分解して肌を守っています。
以上のように皮膚上では,タンパク質が皮膚常在菌により分解され抗酸化作用の強いペプチドとなり皮膚の悪化を防止しているのではないかと考えられる
<出典>末次,他:皮膚常在菌の皮膚状態に与える影響,J.Soc.Cosmet.Chem.Japan.Vol.28,No.1,pp.44--56,1994.
皮膚表面のタンパク質、つまり角質や汗をエサとして皮膚常在菌が働いているわけです。
菌と角質や汗はそれぞれに役割を持ち、私たちの体を守ってくれているんですね。
菌が繁殖しやすい靴内環境
靴の中は外の環境と大きく異なり、高温多湿になりやすいため菌が増殖しやすい環境です。
CO₂,H₂Oのいずれも,靴着用時点から急激に上昇し,10~20分後には外気とは全く異なった靴内気候が形成され,この状態は着用し続ける間続く.
<出典>楠本彩乃:靴種による靴内換気の比較,足の事典,3.3章(3),pp.78,朝倉書店,1999.
足は汗をかきやすいし、「不感蒸泄」と呼ばれる水蒸気もたくさんでます。そこに靴を長時間履いているわけです。すると、高温多湿の環境が出来上がる。
高温多湿は菌が繁殖しやすい、だから皮膚常在菌も増えすぎてしまうんですね。
つまり!足が臭くなるのは「増えすぎた菌がエサを分解して臭いの原因」を出すため
上述した通り、足が臭い!を引き起こすのは「菌+エサ+靴内環境」です。少し詳しくいうと高温多湿の靴の中で増えすぎた表皮ブドウ球菌が角質などのエサを分解した結果、イソ吉草酸により足が臭くなるわけです。
通常は足を守ってくれている菌、角質、汗、靴ですが、これらのバランスが崩れたときに「足が臭い!」を引き起こすんですね。
子供の足が臭い!対策は「菌の増殖予防・除菌・消臭」の合せ技
子供の足が臭い、その原因を踏まえた対策を「菌の増殖予防・除菌・消臭」の3種類に分類しました。
1⃣菌の増殖予防:靴の中の高温多湿化の予防・菌のエサとなる角質や汗ケア・抗菌素材の使用などで菌を増やしすぎないよう対策する
2⃣除菌:増えすぎた菌を適正量に戻すよう対策する
3⃣消臭:発生した臭いを消すよう対策する
3方向から対策を行うことで足が臭い!を撃退できるってわけです。
子供の足が臭い!の具体策
足の臭いを消す具体的な方法を紹介します。…とはいっても、全て一般的に知られている方法です。
しかし!大事なことは「1⃣菌の増殖予防・2⃣除菌・3⃣消臭」の3方向から対策することです。そしてさらに、「足・靴下・靴」のそれぞれへの対策が効果的です。
「足が臭い!」への具体策
・足に施す対策【足用制汗・防臭クリーム/足の洗浄】
・靴下に施す対策【抗菌・防臭靴下/5本指靴下】
・靴に施す対策【通気靴/抗菌・防臭インソール/靴用スプレー/除湿アイテム】
適切に対策すると子供の足を臭いから守ってくれますよ。
足に施す対策
足用制汗・防臭クリーム[菌の増殖予防]
臭いを予防する目的で足に直接塗る「足用制汗・防臭クリーム」は商品の種類や効果の記載も様々ですが、概ねこれらの足用クリームでは「1⃣菌の増殖予防」対策ができます。
足用クリームの代表的な作用
・制汗作用:汗を抑えて足のムレを対策・菌のエサを減らす
・デオドラント作用:菌の繁殖を防ぐ
⇒菌の増殖予防
汗は、靴の中がムレる原因であるとともに菌のエサにもなるため、「制汗」成分で汗そのものを対策すれば足の臭いを予防できます。制汗に加えて「デオドラント」成分で菌が増えるのを防ぐため「足が臭い原因を元から予防」するってわけです。
!注意点!
子供に足用クリームを使うときは、各商品に記載されている用法・用量を守り注意点を確認することに加え、肌に合うか少量塗ってみて確認&間違って食べないような場所に保管&保護者の管理下で使用することを守りましょう
こちら↓の商品は、足だけでなくワキの臭いにも対策できる制汗・消臭クリームです。
制汗成分「クロルヒドロキシアルミニウム」と殺菌成分「イソプロピルメチルフェノール」を使用している医薬部外品です。
こちら↓のデオナチュレシリーズは、足用とワキ用に分かれている商品です。
制汗や消臭効果がある「焼ミョウバン」と殺菌成分「イソプロピルメチルフェノール」を使用している医薬部外品です。
ちなみに、デオナチュレの足用クリームは筆者の家にも常備してあります(^^)
足の洗浄[菌の増殖予防・除菌・消臭]
足を正しく洗うことは「1⃣菌の増殖予防・2⃣除菌・3⃣消臭」の対策になり3方向からアプローチできますが、万全ではないため他の方法と併せて行う必要性が高いです。
足を洗うことによる効果
・角質や汚れを取り除く=菌のエサが減る⇒菌の増殖予防
・足に付着する増えすぎた菌を洗い流す⇒除菌
・ニオイ物質を洗い流す=発生した臭いを取り除く⇒消臭
足を正しく洗うことは汚れを取り除くだけでなく、菌のエサや増えすぎた菌、それに臭い原因物質を洗い流すため、菌の増殖予防・除菌・消臭になるってわけです。
但し、足を洗っていても靴を履けば汗をかくし、やはり靴の中はムレやすいのでさらに他の方法も併せて行うとより臭い対策の効果が得やすいと思います。
足の正しい洗い方とその必要性を説明した記事はコチラをご覧ください。
足の臭い対策を徹底的に考慮した石鹸も売られていますので、ご興味があったらお試しください↓
靴下に施す対策
抗菌防臭靴下[菌の増殖予防]
抗菌成分が織り込まれるなど抗菌加工された靴下は「抗菌防臭靴下」と呼ばれ「1⃣菌の増殖予防」対策になります。
こちらは↓よく見ると「抗菌防臭加工」と書いてあります。
「抗菌防臭靴下」だけ履いておけば盤石とは言い難いですが、「足が臭い!」に対する一つの有効な力になってくれそうです。
5本指靴下[菌の増殖予防]
指1本1本を布で包む5本指靴下は「1⃣菌の増殖予防」対策になります。
5本指靴下は、指の間の肌にも靴下が触れているため、指の間の汗も靴下が吸ってくれます。そのため足がムレにくくなり、菌の増殖予防になるわけです。
子供用の5本指靴下も売られています。
靴に施す対策
通気性のよい靴[菌の増殖予防]
通気性のよい靴は、靴内環境の高温多湿化をやわらげるため「1⃣菌の増殖予防」対策ができます。
靴の長時間着用は靴の中がムレる大きな原因になりますが、幼稚園や学校に通う子供のほとんどは一日中靴を履くことを避けられませんよね。
だから特に長時間履く上履きは通気性のよいものを選んであげたいですね。
こちら↓はメッシュ素材で通気性のよい上履きです。
抗菌・消臭インソール[菌の増殖予防・消臭]
抗菌・消臭機能を持ったインソールを利用すると「1⃣菌の増殖予防・3⃣消臭」対策ができます。
インソールを洗濯すればついた菌を取り除くことができるため、靴より手軽に「2⃣除菌」対策もできることになりますね。
こちら↓は靴メーカー「アキレス」のインソールです。
靴用スプレー[除菌・消臭]
靴の中にシューっとする靴用スプレーの多くは「2⃣除菌と3⃣消臭」対策ができます。靴用スプレーもたくさん販売されていて、商品によっては「1⃣菌の増殖予防」効果を謳っているものもあります。
一日履いた靴には菌(バクテリア)がいて、その菌は靴を洗浄することでいなくなりますが、洗わないで履き続けると日々増加していきます。
手入れを全く行わなければ,日々確実にバクテリアは増加する(図3.7)が,洗浄を行った場合はそれらバクテリアはほぼ除去される(図3.8).
<出典>楠本彩乃:衛生,足の事典,3.4章,pp.79-83,朝倉書店,1999.
しかし。靴を毎日洗うのって、、なかなかできませんよね。
そこで、靴用スプレーで靴の中の菌を「除菌」するとともに、すでに発生しているにおい(=酸)を中和するなどして「消臭」するってわけです。
注意事項
靴用スプレーを使用する際は、商品に記載されている使用法と注意点を守ると共に、肌に直接スプレーしないこと&スプレーした後は乾いてから靴を履くことを守りましょう!
消臭方法と抗菌方法は商品によって異なります。
こちら↓は、ドクターショールの靴用消臭抗菌スプレーです。
「オドミット」という消臭成分が既に発生した臭いを除去し、「コーキンマスター」という成分が菌の増殖を予防してくれます。
靴用乾燥剤[菌の増殖予防・消臭]
靴用の乾燥剤を使用すると、靴の内部を乾燥・脱臭してくれるため「1⃣菌の増殖予防・3⃣消臭」対策ができます。
一日履いた靴は水分を含んでいます。できれば毎日同じ靴を連続して履かないことが理想ですが、子供靴ってそうもいかない…ですよね。
そこで、臭い対策のために出来ることは、靴を脱いだら乾かす意識を持つことです。
こちら↓は、シリカゲルの吸着力を利用した乾燥・脱臭剤です。
まとめ
足が臭くなる原因物質は「イソ吉草酸」という脂肪酸で、高温多湿の靴内環境で増えすぎた菌が角質などのエサを分解した結果足が臭くなります。
そのため、足の臭い対策は「1⃣菌の増殖予防2⃣除菌3⃣消臭」の3方向から行うと効果が期待できます。
個人差はあるところでしょうが、幼児でも小学生でも、足は臭くなることがあります。
子供は素直だからこそ、「足が臭い」とからかわれたりするとデリケートな悩みになる可能性があります。
足が臭くならない有効な対策を親が知っていれば悩まずに済む問題なので、子供の足をよく確認してあげてくださいね。