本記事では防水スプレーの成分や注意点を調査し、子供靴への上手な使い方を紹介します。
大人は濡れないように意識して歩くことができますが、子供には難しい…それどころか濡れるのを喜んでいるなんてこともありますよね。
しかし、靴の中が濡れると不快です。さらにそのまま履き続けるとムレたり冷えたりすることになります。
そんな時、防水スプレーが役立ちそうですが、子供靴に防水スプレーを使おうと思ったとき↓こんな疑問↓を持つママもいるはず。
子供靴に防水スプレーを使うなら…
- 効果があるのは雨の日だけ?
- どうやって使うのが正しいの?
- 危なくないの?
これらの疑問は筆者も抱いていたものです。
防水スプレーの存在は知っていましたが、防水スプレーについてきちんと知らないまま使いたくなかったから手を出せないでいたのです。
そこで「防水スプレー」のあれこれを調査しました。
初めに疑問の答えを書いておくと、
- 防水スプレーは雨の日・雪の日の防水効果だけでなく汚れ防止効果が期待できる
- 使い方のポイントはきれいで乾いた状態の靴にスプレーし、スプレー剤が乾いてから靴を履くこと
- 安全性の面で重要なのは風通しの良い屋外でスプレーして吸い込まないようにすること
大事なことは全て書き出しました↑
防水スプレーの成分や特性を知ればこれらの理由も理解できますので、本文では詳しく説明していきます。
防水スプレーは水をはじいて防水する
防水スプレーを使用するとスプレーした面は水をはじくため、繊維などを通過して水が入るのを防ぐことができます。
防水スプレーは、撥水剤の他に溶剤、噴射剤が配合されていて*1、主剤である撥水剤には「フッ素樹脂」や「シリコン樹脂」などが使用されています。
そのため、防水スプレーを種類分けする際「フッ素系」「シリコン系」と呼ばれることが多いようです。
防水スプレーは、薬局やホームセンター、さらに靴屋さんでも入手できます。
もちろんネットでも購入できます。
「防水スプレー」で検索してみると↓たくさん出てきます。
どの防水スプレーを選んでも、基本的には撥水剤の効果で水をはじいて濡れるのを防いでくれるってわけです。
防水スプレーの効果は防水だけじゃない
防水スプレーは防水だけでなく「汚れの予防」効果も期待できます。
汚れ予防の話に行く前に、そもそも防水スプレーをするとなぜ水をはじくのでしょうか。
その答えは表面張力にありそうです。
表面張力は,液体が固体表面をぬらすかどうかに大きくからむ。
<出典>渡辺正:表面張力のしくみ ,科学と教育,47巻9号,pp.600-603,1999.
液体の表面張力は分子間力の強さを表します。水の表面張力は72mN/mで油は約30mN/m*2です。
ぬれるかどうかは、液体の表面張力、固体の表面張力、固体と液体の境界の張力、接触角との関係(ヤングの式)で表されます。
…が式などを引っ張りだしても難しいので、、
液体と固体が接触したとき表面張力が大きい方にひっぱられると考えてみます。
表面張力が大きい(強い)固体と接触すると液体が引っ張られて⇒固体はぬれる
表面張力が小さい(弱い)固体と接触すると液体の方が力強いので⇒個体はぬれない
つまり、表面張力の低い材料(=撥水剤)を布にコーティングしておけば水をはじき、その結果濡れないということになります。
これが防水スプレーが水をはじく理由です。
さらに、油よりも表面張力の低いフッ素樹脂ならば油もはじくことになるんですね。
つまり。防水スプレーを靴表面に施しておけば泥水をはじき、フッ素系の防水スプレーなら油に混ざった汚れもはじくため「汚れ」予防になるのです。
防水スプレーを使うと防水だけでなく防汚効果も期待できるため、子供靴に利用すれば子供にとってもママにとっても快適が手に入れられるというわけです。
子供靴に防水スプレーするときの使い方
子供靴に防水スプレーを使う際は、以下の順番で行います。
1.靴をきれいにする
2.靴から離して表面にまんべんなく表面が軽く濡れる程度スプレーする
3.スプレー剤が乾くまで置いておく
正しい使い方が記載されている防水スプレーならその通りにすればよいのですが、『正しい使い方』が書かれていない防水スプレーもありますので、
ドイツの靴手入れ用品老舗メーカー『コロニル』のサイトからスニーカーのお手入れ方法を引用してみましょう。
[Q]ニューバランスのM990V2(スウェード/メッシュ素材))のお手入れ方法を教えてください。
[A]
①ブラッシング
②クリーニング
③防水・防汚
④栄養(スウェード部分)
⑤シューキーパー
<出典>コロニル公式サイト/お手入れ辞典/カジュアルシューズ・スニーカー/"ニューバランスのM990V2(スウェード/メッシュ素材))のお手入れ方法を教えてください。"より手順を抜粋
③の防水・防汚で防水スプレーをかける前、①②にご注目ください。靴をきれいにしていますね。
防水スプレーは靴の繊維に撥水剤をコーティングするものなので、汚れの上からではなくきれいな状態の靴にスプレーするというわけです。
スプレーの使い方も引用します
缶をよく振り縦に構えて噴射口を水平にし、スニーカーから20cmほど離して全体にまんべんなくスプレーします。
量は表面が軽く濡れる程度です。
完全に乾くまで触らないようにします。
<出典>コロニル公式サイト/お手入れ辞典/カジュアルシューズ・スニーカー/"ニューバランスのM990V2(スウェード/メッシュ素材))のお手入れ方法を教えてください。"手順”③防水・防汚”より抜粋
防水スプレーは靴全体にまんべんなく軽く濡れる程度スプレーし、防水スプレーした後はスプレー剤が表面に定着するよう乾くまで待ちます。
乾く前に履いてしまうと効果が薄れるのでしっかり乾かしましょう。
※靴の内部に防水スプレーをしてしまうと汗や水蒸気を吸わなくなり蒸れてしまうため靴の内部(足を入れる部分)には防水スプレーをかけてはいけません。
靴内部の臭い防止には靴用除菌・消臭スプレーが利用できますので適切に使い分けましょう。
足・靴の臭い対策について書いた記事は↓コチラ↓。
子供の足が臭い!「においの原因」を知れば有効な対策がとれる - コドモくつ調査隊
ということで、子供靴に防水スプレーをするときは、きれいな状態で表面全体にまんべんなくスプレーし、乾いてから履くようにしましょう。
防水スプレーを安全に使うための注意点
防水スプレーを安全に使うためには注意点があります。
1.屋外でスプレーすること
2.火の気のないところで使用・保管すること
防水スプレーを使用する際の重要な注意点は必ず「屋外で使用する」ことです。
防水スプレー使用時に、噴霧粒子を吸い込んでしまい中毒症状が出る事故が過去起きています。これは主に撥水剤が肺の奥深くに吸い込まれることで中毒症状がでているようです。[参考文献※1]
ですから、防水スプレーを吸い込まないよう屋外で使用しましょう。
スプレー者はマスクをしていても近くに子供がいた…などの状況も危険ですので周りもよく見て安全に配慮しましょうね。
また、防水スプレーの溶剤は、火が付きやすい成分を利用しているので火気厳禁です。火の気のあるところに保管したり近くでスプレーしないように気をつけましょう。
これらのことは、安全確保マニュアル[参考文献※1]にも書いてあり、各防水スプレーにも記載されています。かならず記載されている注意事項を守って安全に利用しましょう。
よく理解して使用すれば、安全に利用できるだけでなく安心して快適を手に入れられますよ。
子供靴用「防水スプレー」の選び方
子供靴用の防水スプレーを選ぶ際に重要なポイントは、使用する靴の素材で使えるかを確認することです。
防水スプレーは「靴用」「テント用」など用途を明示しているものからそうでないものまでたくさんの商品があります。用途が分かると使用イメージを持ちやすいので消費者にとってありがたいのですが、一口に「靴」といっても靴の種類によって使用している素材は様々です。
そのため、防水スプレーを選ぶときには「使える生地」をしっかり確認しましょう。
子供靴で多く使われている素材は『合成皮革、合成繊維、綿(天然繊維)』です。
繊維製品には使えても皮革に使用できない防水スプレーもありますのでよくチェックしてくださいね。
さてここで、防水スプレーを比較して紹介…したいところですが、比較できるほど予算がないので(笑)今回本記事を書くにあたって調査した防水スプレーを紹介します。
まずは↓コチラ↓です。
おそらくもっとも有名な靴用防水スプレー「AMEDAS(アメダス)」です。
コロンブスという日本の靴お手入れ用品を取り扱う会社の製品です。
フッ素系の防水スプレーで「天然皮革、布地、人工皮革」に使用可能です。
ちなみに筆者の家もアメダス派。大容量でお得な420ml入りがおすすめです。
お次は↓コチラ↓
靴の先進国ドイツで生まれたレザーケアブランド「コロニル」の防水スプレーです。
さすが靴のお手入れ用品を取り扱うブランドなだけあって防水スプレーだけでもたくさん種類があります。その中でこちらの「カーボンプロテクティングスプレー」は幅広い素材に使える上、持続時間が長くシワ部分にも防水効果を発揮できるという優れもの。
これ一本あれば心強いですね。
最後は↓コチラ↓
ヘンケル社の「LOCTITE」製品です。
フッ素系で皮革も繊維も使えます。
お値段が手ごろなのが嬉しいところです。
以上有名どころを3つ紹介しました。
まとめ
子供靴を守ってくれる強力な味方「防水スプレー」について調査しました。
大事なことをまとめると、
防水スプレーは…
効果:防水だけでなく防汚効果も期待できる
使い方:靴をキレイにしてからスプレーし、乾くまで待つ
注意点:屋外で使用して吸い込まないよう気を付ける
選び方:使用できる素材を確認して選ぶ
防水スプレーについてきちんと分かれば安心して使えますね。
上手に使って子供もママも快適を手に入れましょう!