本記事は、「子供靴のお下がりがダメ」と言われる理由である「履き癖」について調査した記事です。
成長して履けなくなった子供靴。
お下がりを考えて↓こんな疑問↓を持つもいるはず。
ママの疑問
子供靴のお下がりってしちゃダメなの?
見た目がきれいでもダメなの?
本サイトでママの疑問について調査したところ、答えはすぐ出てきました。
一般的には「履き癖がついているから子供靴のお下がりはオススメされない」そうです。しかも、「見た目にはキレイでも安心できない」とのこと。
冒頭の「あっしーとはにわママの会話」のとおりですね。
しかし。この答えだけ聞いてもしっくりこない…
むしろ↓新たな疑問↓が生まれたのは筆者だけじゃないはず。
新たな疑問
「履き癖」っていったいぜんたい何なのよ?
長期間履いていない靴でも「履き癖」ってついてるの?
「履き癖」がついていたらなぜダメなのよ?
この新たな疑問に答えるべく調査し本サイトが出した答えは↓コチラ↓
- 「履き癖」のついた靴とは一人一人の足や歩行に合わせて変形(消耗)した靴
- 靴は履きながら少しずつ消耗しているので、履いた靴は大なり小なり使用者の足や歩行の影響を受けている
- 「履き癖」がついた靴を履くと、まだ軟らかい子どもの足は靴の影響を受け、正しい成長を阻害する可能性がある
本文で詳しく紹介しますね。
お下がりを下の子に履かせるか迷っているママ、お譲りを貰ったりあげたりするか悩んでいるママの助けになれば幸いです。
子供靴のお下がりダメな理由は「履き癖」がついているから
子供靴のお下がりがダメと言われる一番の理由は「履き癖」がついているためです。
子供用品メーカー「ミキハウス」のQ&Aでは以下のように記載されています。
Question おさがりの靴を、履かせてもよいでしょうか?
お子様によって、足のかたち、歩き方はおひとりおひとり違います。着用後の靴は癖がついていますのでおさがりはお避けください。
<出典>ミキハウス公式楽天ショップ/MikihouseShoes/よくあるQ&A
url: https://www.rakuten.ne.jp/gold/mikihouse/mikihouseshoes5.html
子供靴のお下がりを履かせてもよいかという質問に対し、
・足の形、そして歩き方はひとりひとりがちがう。
・他の人が履いた靴には、その人の癖がついている。
⇒だから子供靴のお下がりは避けましょう
と書かれていますね。
もう一つ、こちらの本から引用します
03 おさがりの靴はNG
兄弟のおさがりの靴を使ったり、すでに誰かが履いた靴を譲ってもらうのは絶対にやめてください。
なぜなら、おさがりの靴には以前その靴を履いていた子の歩き方のクセがついているからです。<中略>中敷にも前の子どもの足の形がついています。
<出典>子どもが育つ からだのしつけ:玉木志保美,p.41,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2017.
以前履いていた人の歩き方の癖が靴についているので、兄弟間でのお下がりや誰かのお譲りを履くのはやめましょう、と書かれていますね。
このように一般的に、靴には履いていた人の足の形・歩行による癖、つまり「履き癖」がついているため、子供靴はお下がりを避けるべきと言われているんです。
Q. 子供靴のお下がりってしちゃダメなの?
A. 一般的には履き癖がついているから子供靴のお下がりは避けるべきと言われている
足が靴に「履き癖」をつけ、お下がり靴の「履き癖」が足に影響を与える
子供靴のお下がりがオススメされない理由である「履き癖」について、深堀します。
「足の形・歩行」と「靴」は、互いに影響を与え合う「相互作用」があります。
「足の形・歩行」と「靴」の関係を順に説明しながら、履き癖の意味と影響を紐解いていきたいと思います。
a.子供靴の「履き癖」とは『「足の形・歩行」による「靴」の変形』
「履き癖のついた靴」とは足の形や歩行によってクセのついた靴のことを言います。これは、足の形や歩行によって変形した靴とも言えそうです。
履くことにより起こる靴の変形を「消耗」という言葉で言い換えると、以下3つのことが言えます。
- 一人一人違う足の形・歩行に合わせて靴は消耗していく
- 見た目で分からなくても靴は消耗している
- 靴の消耗の一部が「履き癖」であり「破損」である
以下詳しく説明します。
1.一人一人違う足の形と歩行に合わせて靴は消耗していく
靴は履いているうちにその人の「足の形や歩行」に合わせて消耗していきます。
子供靴メーカー「moonstar」の子供靴専門店「ゲンキ・キッズ」の公式HPにも書かれています。
歩き方の癖や足の数だけ靴は異なる消耗をしていきます。
足の形はたとえ兄弟であったとしても同じとは限りません。
<出典>ゲンキ・キッズ公式HP/お悩み/おさがりの靴を履かせても良いでしょうか?
足の形は一人一人違い、歩き方も違うため、靴はみんな違う消耗をしていくと書いてありますね。
つまり、靴は履くことにより履いた人専用の靴へ変形していくというわけです。
Q.「履き癖」っていったいぜんたい何なのよ?
A. 「履き癖」のついた靴とは、一人一人の足や歩行に合わせて変形(消耗)した靴のこと
2.見た目で分からない部分も履いた靴は消耗している
靴は、履いているうちに各パーツが消耗していきます。しかも、見た目では分かりにくい部分も靴は消耗していきます。
靴の消耗の例を上図に示しました。
このように、アッパー部分・インソール・アウトソールの消耗は目に見えるので分かりやすいと思います。
一方、分かりにくいけど消耗している部分について以下の文献から引用します。
シューズのミッドソールはスポンジ素材でできています。<中略>スポンジ素材は使用を繰り返すと、中の気泡の空間が潰れてしまい、元に戻らなくなってしまいます。これがクッション性が悪くなる原因で、シューズの「ヘタリ」と呼ばれています。
足と靴の科学,(株)アシックス スポーツ工学研究所,p.153, 日刊工業新聞社,2013.
アウトソールの上にある「ミッドソール」の消耗は見た目に分かりにくいですが、靴を履いているうちに潰れていくんですね。
つまり、アッパー部の傷や汚れがなく、かかと部や靴底がすり減ってない「見た目がきれい」な靴でも、ミッドソールが潰れていることもあるってことです。
一見きれいに見える靴でも、靴は消耗しているかもしれない訳ですね。
Q. 見た目がきれいでもお下がりはダメなの?
A. 見えない部分も消耗していることがあるので、見た目がきれいでも良いとは言えない
3.靴の消耗の一部が「履き癖」であり「破損」である
靴の消耗は履きながら少しずつ進むもので、「履き癖」は消耗の一部であり、その先に靴の破損があると考えられます。
靴の一生のイメージ図を描いてみました。
新品の靴はまっさら、無垢な状態です。
そこから1回、2回…と履くうちに、足の形や歩行によって靴が少しずつ消耗し、いつしか足になじみます。
さらに履いていると消耗が目に見えるようになり、
最終的には消耗が激しくなりどこかが破損し、靴としての寿命を迎える。
この期間中、「履き癖」は徐々に色濃くしていく、というイメージです。
つまり。履いているうちに靴は履く人専用の靴に完成し、その延長に破損があると考えられるわけです。
「履き癖」はいつからついているかというよりは、靴を履くごとに少しずつ強くなっていると考えると理解しやすいですね。
Q. 長期間履いていない靴でも「履き癖」ってついてるの?
A. 靴は履きながら少しずつ消耗しているので、履いた靴は大なり小なり使用者の足や歩行の影響を受けていると考えられる
b.他の子の「履き癖」がついた子供靴のお下がりを履くと『「靴」⇒「足の形・歩行」が変化』
他の子の履き癖がついた靴をお下がり靴を履くと、足や歩行に影響を受けてしまうと言われています。
足は、靴の影響で変形します。
先端が細い靴の影響で外反母趾になることがあることは有名ですよね。
また、歩行も靴の影響で変わります。
靴底が著しく摩耗した靴や、靴底の溝が異なる靴により、歩行時の足の動きに変化がみられるなどの研究結果*1*2からも分かるように、靴の影響で歩行も変わるわけです。
「履き癖」のついた靴は、前に履いていた人の足・歩行により、その人色に染まっています。
他人色に染まった靴は、履いても足とフィットしません。足に合わないだけでなく、歩行も影響を受けてしまいかねません。
さらに、成長途中にある子供の足についてはこのように言われています↓
子どもの未発達でやわらかな足の骨は、靴からの外的な影響を受けやすく正しい成長を阻害することがある
<出典>ゲンキ・キッズ公式HP/お悩み/おさがりの靴を履かせても良いでしょうか?
子供の足はまだ軟らかいので、靴からの影響も受けやすい。その影響が正しい成長を邪魔してしまうかもしれない、という訳です。
履き癖のついた靴がダメと言われる理由が出ましたね。
Q. 「履き癖」がついていたらなぜダメなのよ?
A. 他の人の履き癖がついた靴を履くと、まだ軟らかい子どもの足は靴の影響を受け、正しい成長を阻害する可能性があるため
「足の形・歩行」と「靴」の相互関係 ーまとめー
「足の形・歩行」⇒「靴」
①一人一人違う足の形・歩行に合わせて靴は消耗していく
②見た目で分からなくても靴は消耗している
③靴の消耗の一部が「履き癖」であり「破損」である
「靴」⇒「足の形・歩行」
他の子の「履き癖」により正しい成長を阻害する可能性がある
まとめ
子供靴のお下がりがダメな理由である「履き癖」について調査しました。
大事なことをもう一度まとめておきます。
- 子供靴のお下がりは「履き癖」がついているから避けるべきと一般的に言われている
- 靴は見えない部分も消耗していることがあるので、見た目がきれいでもお下がりして良いとは言えない
- 「履き癖」のついた靴とは、一人一人の足や歩行に合わせて変形(消耗)した靴
- 靴は履きながら少しずつ消耗しているので、履いた靴は大なり小なり使用者の足や歩行の影響を受けている
- 「履き癖」がついた靴を履くと、まだ軟らかい子どもの足は靴の影響を受け、正しい成長を阻害する可能性がある
子供靴のお下がりがダメと言われる理由がご理解いただけたでしょうか?
最後に…ここまで、子供靴のお下がりがダメと言われる理由を紐解いてきましたが、筆者はお下がりは絶対ダメと言うために記事を書いているわけではありません。
状況に応じた判断をするのに必要な材料をお届けするために書いています。
物事には理由があり理由が分かればその先の判断が自分でできると筆者は考えているためです。
この記事が、お下がりに迷ったとき状況に応じた判断をする手助けになれば幸いです。